青天の霹靂ってこういうことだ。ゲスト発表に動揺して5年間も放置していたはてなブログの編集画面を開いてしまうくらいには、脳内が混迷をきわめていた。チケ発の当日は取引先のまあまあ大切な催しに参加していたのだが、腹痛を装ってトイレに行き、死にものぐるいでチケットを取った。(最悪社会人)
来月10月のオールナイトトークイベント、ゲスト発表です。
— 宮下雄也(劇団かもめんたる) (@HonjoJrHigh) 2024年9月27日
今月の宮下雄也vol.88
テーマ【先輩と◯◯】
日時:10月25日(金)
OPEN 23:50/ START 25:00〜始発まで
場所:新宿ロフトプラスワン
チケット料金:6000円
出演:宮下雄也/久保田悠来/谷口賢志/中村誠治郎/今立進(エレキコミック)ほか
そんなわけで、新宿ロフトプラスワンにて開催された「今月の宮下雄也 vol.88【先輩と〇〇】」に参加してきました。

「今月の宮下雄也」は、俳優の宮下雄也さんが2015年から毎月開催している*1オールナイトトークイベントで、今回が88回目の開催にあたる。ゲストの【先輩】というのは、舞台「戦国BASARA」シリーズの共演者でもある久保田悠来さん、中村誠治郎さん、谷口賢志さんの三名を指し、全員が一堂に会するのは舞台「戦国BASARA3」-瀬戸内響嵐-(2012)以来である。あの頃の思い出や今だから話せること、現在のそれぞれの活躍と私生活について、ほんとうにたくさんの話を聞くことができた。
久保田さん(推し)は舞台「戦国BASARA」シリーズを卒業して以降、おそらく意図的に当時のことについて触れてこなかったと思っているので、久保田さんがあの頃の話を、宝物みたいに話す姿をみて、ものすごく満ち足りた気持ちになった。いまだに久保田さんのXのヘッダーは武将祭2013のままで、あれから11年が経つけど、おたくが有明コロシアムにひろがる星の海*2をいまでも鮮明に思い出せるように、久保田さんや出演者の皆さんのなかで、舞バサという作品がいまでも青春のきらめきをまとっていることがわかってうれしかった。レポ禁なので内容は書けないけど、めちゃくちゃ楽しかったし、また絶対に遊びに行きたい。
宮下雄也、多才すぎる
はじめて参加したけど、登場から宮下さんに圧倒されっぱなしだった。
歌もトークも進行も絵も、自作の漫画(新作描き下ろし)の朗読もうまくて、企画や話題のチョイスもよく、毎月来てくれるお客さんのことが大好きで、役者としての信念もめんどくさいところも可愛らしさもある。今回のイベントは宮下さんが出演中のミュージカル「DEATH TAKES A HOLIDAY」の東京公演と大阪公演のあいだの開催なのだが、舞台の本番とゲストのブッキングや企画立て、漫画の制作などを同時平行していたらしい。超人?
参加のきっかけは久保田さんのゲスト出演だったけど、目の前で繰り広げられる宮下さんの縦横無尽な仕事ぶりを眺めているだけでも楽しかった。
イベント前に雰囲気が知りたくて過去の参加者の感想をさかのぼってみたものの、「楽しかった!」という内容のものが多く(わかる)、会場の雰囲気などは謎につつまれていたので、会場に到着してからの流れと、座席や会場の導線について書いてみた。これからも末永く続いていくイベントになると思うので、はじめて参加するよ!という方の参考になったらうれしい。
会場について

『今月の宮下雄也』が定期開催されているロフトプラスワンは、アイラブ歌舞伎町のビルの地下2階にある。
TOHOビル側で友人と開場を待っていると、ネオンサインの下におたくが集っていくのがわかった。うちら、歌舞伎町からめちゃくちゃ浮いているので一瞬で“同族”だとわかる。おたくの集団のおかげで旧日本青年館のロビーにいるかのような安心感につつまれ、犬も歩けばキャッチにあたる歌舞伎町を歩いて枯渇した体力が回復した。
集合から開場まで
23:40ごろになると整理番号順に呼ばれ、ロフトプラスワンのある地下2階から上の階へと階段に沿って列が形成される。
30名ほどの優先入場者*3のあと、一般チケットの1番から順に10番区切りで入場していくのだが、24:00を過ぎた頃には一般20番台の自分たちも席を確保していたので、おそらく24:30ごろにはほぼ全員が入場できていたと思う。会場周辺は治安がよくないので、開場時間の5〜10分くらい前に会場到着でちょうど良い気がする。(30分前に着いてしまった人)
ロフトプラスワン座席レポ

※ロフトプラスワン公式よりフロアマップをお借りしました。
数々のイベントを打っている会場なのでいまさらではありますが、ロフトプラスワンに突然推しが呼ばれてしまったときの参考になれば…!!
わたしが座った手前側のソファー席はドリンク列の導線から外れており、背もたれとテーブルのおかげでたいへん快適に過ごすことができた。が、前列の人の頭で演者が見切れるという事態が発生し、やむなくアウターを敷いて座高のかさ上げをした。オールナイトに日和って壁際のソファー席を死守したけど、出演者の顔をしっかり見たいなら絶対に正面に座ったほうがいい。正面の席は椅子と椅子の間が狭く、背もたれのない椅子も多かったので、長時間を過ごすにはあまり向いていない。おのれの体力と要相談だが、基本的には正面から埋まっていくので整番が遅いと座れない場合もある。
手前のソファー席や本棚横など、ステージの死角となる席にはモニターが設置されていたけど、出演者ばかりが映るわけではないし、映っていてもフレームアウトする出演者もいたので善し悪しという感じ。あとたぶんソファー側の2列目以降は出演者から見えてない。はけるときに気づいておのれのおたくにファンサをしてた出演者がいたので、出席確認するタイプの出演者ならばおたくも正面に座ったほうがWin-Winだと思う。
導線について
自分たちが入場した時点でおよそ50人ほどがフロアにいた。席を確保する人、ドリンク列に並ぶ人、ドリンクを受け取り席に戻りたい人、新たに入場してくる人…でフロアがごった返しており、すでにドリンクカウンターには長蛇の列ができていた。開場から開演まで一時間以上あるとはいえ、のんびりしているとドリンクを受け取りそびれてしまうので、ドリンク列にはすぐに並んだほうが良い。
入口の導線とドリンク列の最後尾が被っていたため、入場してきた人はどの席が空いているか(ドリンク列の人混みで)見えず、ソファー席があるエリアとそれ以外がドリンク列で分断されていたので、ソファー席側にはそれなりに空席があるにもかかわらず、みんな席を求めてさ迷うというシュールな状況が生まれていた。
ちょくちょく挟まれる休憩時間中、トイレやドリンクに並んだまま席に戻ってこれない状況が多発しており、劇場などのスムーズなトイレ導線に慣れていると若干のつらさがあった。
長丁場ではあるものの、できればトイレは会場に入る前に済ませてから来るといいかも。ドリンクも何杯か飲んだり出演者に差し入れしたい場合*4は、最初の一回でまとめてオーダーすると良さそう。
雑感

メニューのクセ。なんでレッツパーリー(伊達政宗)がウーロンハイなんだろう……と思ってたけど、もしかして(烏)龍=独眼竜ってコト……!?
ロフトプラスワンのフードは普通に美味い。ロフトプラスワンといえばカレーと梅炒飯というイメージがあり、ラストオーダーでカレー食べる!と友人に宣言をかましていたものの、揚げ物で胃にダメージをくらったためあえなく断念した。
宮下さんの熱唱から幕をあけたイベントだったが、ゲスト陣の登場BGMがあまりに懐かしく、選曲が完全に不意打ちのそれだったので感極まってしまい、推し以外はなんの曲だったかちゃんと覚えているのに推しの登場BGMだけ記憶からすっぽり消し飛んだ。
俳優も聖人君子ではないので、酒にやられてめちゃくちゃになった人と、それをなんとか収拾させようと奮闘する人、持論を展開する人、その間で粛々と飲み続ける人とさまざまで、久保田さんは黙っているだけで徳が積み上がっていくのがおもしろかった。
なんだかんだトーク中は推しの動向に注目してしまったけど、バーイベやFCの配信ではかなり意識的に“久保田悠来”をやってくれていることも、気のおけない共演者との間ではそれがほんのすこしだけ薄まることも、話題に対する一歩引いた視点も、あらゆる面で分別がついていて、久保田さん、大人になったなあ…(※43歳)としみじみ思った。周囲がヒートアップしても本人は失言らしい失言をしないので、社会性と人間力の高さを見せつけられた気がした。
誠治郎さんはその場にいるだけでぱっと空気が明るくなり、いろんな話題が飛び出すなかでちいかわみたいにあわあわしている場面が多く、何年経ってもかわいい人だなとほほえましかった。
賢志さんは………どうか心身の健康に気をつけてね……………。もしかしたら場を盛り上げようと意図的にあのポジションに収まりにいったような気がして、賢志さんらしいな〜と思った。いやわからん、すみません、賢志さんの有識者の方いかがでしたか?
主催兼MCの宮下さんはずっと観客の前にいて、このハイカロリーなイベントをひとりで練り上げているその胆力に感動してしまった。MCとして各ゲストへの話題の振り方も上手く、さすが88回も続いているイベントの大黒柱だと思った。
ゲスト陣の小休憩コーナーで登場されたエレキコミックの今立さんと宮下さんのトークもゆるくておもしろかった。ロフトプラスワンらしいサブカル純度の高いコーナーで、題材も良く、宮下さんと今立さんふたりだけのトークイベントがあったらぜひ参加してみたい。ニコニコ動画世代なので、題材とふたりの掛け合いにノスタルジーを感じた。
宮下さんがさまざまな話題を取り上げる中で、俳優側にその視点があったんだ!と驚いたり、俳優のおたくをしていて身につまされることも、自分が足を運んで観た作品や役者がたくさんの人に評価されてほしいと思うこともたくさんあるので、あらためて考えるきっかけをもらえて良かったと思った。
でもひとつだけ、観客として言いたいことがある! 製作側に良いものを作ったという自負があるなら、めちゃくちゃおもしろいから絶対に現地に来い! くらいの大言壮語をかましてほしい! 観客には無限の選択肢があり、お金は有限だから、作り手がおもしろいと発信してくれないものを観に行こうとは思えないんだよ!!!(「戦隊大失格」ザ・ショーの話をしています)
前半のテンションが嘘みたいに最後はやたら真面目な話でしんみり締めるところも、飲み会の終わりみたいで良かったし、まるで出演者の皆さんの飲み会に聞き耳を立てているような感じで楽しかった。
