はきだめにつる

いつまでも輝いていて

ライブレポ/パスピエ TOUR 2017「DANDANANDDNA」@仙台Rensa

http://passepied.info/feature2/p/5th_anniversary_tour2017

2017年3月17日(金)
仙台Rensa
開場/開演18:30 / 19:00

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DANDANANDDNAツアー、宮城公演へ行って参りました!
パスピエを生で見るのは実に5年ぶり。


今回のライブについての雑感は後半へ、前半は5年前に観たパスピエについての記録です。



5年前、仙台の震災復興プロジェクト“Re:Light MIYAGI”にパスピエの出演が決まり、初めて彼らのパフォーマンスを観た。


Re:Light MIYAGI 02 
2012年5月26日(土) 
仙台enn 3rd 
 
ナミダロジック/パスピエ/リリィノート/fifi/The Jonathan Living Stone

100人ほどが集ったフロアの中で、全国流通盤の『わたし開花したわ』だけでなく自主制作盤『ブンシンノジュツ』まで網羅していたリスナーはそう多くなかったように思う。ennでのライブはめちゃくちゃ盛り上がったけれど、今回のライブで体感したような大衆を巻き込んだ熱狂とはまた違っていて、熱の交換をした、という感覚が近い気がする。

当時、アートワークやSNSで顔出しをしていなかった彼らは、知る人ぞ知る神様のような存在だった。初の東北上陸を謳うパスピエの登場に、フロアの密度が少し上がったのを覚えている。

当日はドラムのやおたくやさんが物販に立っていた。Tシャツや缶バッジなどを購入し、お釣りを募金箱に入れると*1、彼は穏やかに笑って「ありがとうね」と言った。




初の全国流通盤である『わたし開花したわ』をリリースしたばかりのパスピエは、相対性理論ナンバーガールYUKIのフォロワーと称されることが多かったように思う。

2011年は相対性理論の3rdアルバム『シンクロニシティーン』から4thアルバム『TOWN AGE』までの空白期間だったこともあり、“ポスト相対性理論”の影を追ってパスピエ流入した理論リスナーが多かった。近いアプローチはありつつも二つのグループの方向性はまったく別物なのだけど、これに関してはさんざんいろんな場所で議論されているので割愛する。

わたしがパスピエと出会ったのもこの頃。
仙台パルコのタワーレコードで初めて目にした『わたし開花したわ』には、“理論+YUKI”というPOPが貼り付けられていた。

例に漏れず理論リスナーだったわたしは、そのPOPに惹かれるように試聴機のイヤホンを手に取り、再生ボタンを押した。

今でも鮮明に覚えている。
ランダムに再生されたのは「真夜中のランデブー」。

イントロを聞いた瞬間に衝撃を受けた。

自宅へ帰ってすぐに『わたし開花したわ』をウォークマンへ取り込み、狂ったように再生した。

真夜中のランデブー

真夜中のランデブー


フルオーケストラ的に広がるイントロ。フルートのトリル。壮大なサウンドの中でも存在感を確立するドラムス。幻想的な歌詞が炸裂して、なだれ込むように狂っていくサビ。うーーそーーつきーはだあれーーのバックで鳴り響くブラスのファンファーレ。
華やかでキラキラしたサウンドが、イントロからアウトロまで加速したまま一気に駆け抜ける。


アルバム購入後に『わたし開花したわ』のリード曲が「真夜中〜」ではないことに気づいて愕然とした。
こんな0番センターみたいな楽曲をアルバムトラックのひとつとして配置するパスピエって、めちゃくちゃすごいバンドなのでは。

衝撃的な邂逅から約半年後、パスピエが宮城に来ると聞いてわくわくしながらRe:Lightのチケットを抑えた。

残念ながら「真夜中~」はRe:Lightのセットリストから外れていて生では聞けなかったのだけど、パフォーマンスの完成度の高さに、もうennほどのキャパで彼らがライブをやることはないだろうなあとぼんやり思っていた。

Re:Lightの翌年、自主企画「印象・日の出 外伝」を引っ提げてワンマンライブで仙台へ戻ってきたパスピエは、パークスクエアのキャパの狭さと人気の高まりがあまりにも解離していて先行も一般も即完売だったし、さらに翌年の「幕の外ISM」ツアーの仙台公演は、先行からすでにチケ爆死の様相を呈していた。
たった2年で彼らは、仙台で最大キャパを誇るライブハウス・仙台Rensaでのワンマンライブを成功させ、おまけにそのキャパですらチケットが取れないバンドになっていた。

わたし自身もうっかり俳優厨に転げ落ち、Re:Lightを最後に、彼らとの再会まで5年もの空白ができてしまった。


DANDANANDDNA@仙台Rensa


5年ぶりに観たパスピエはとてつもなく洗練されていた。


ボーカルの大胡田なつきちゃん。
パスピエという作品の、アイコンのような存在。

彼女の一挙一動で、ステージの上がフロアと隔絶された異空間となる。
パスピエというフィクションの世界に、観客を引きずり込む彼女のパフォーマンス。
でも歌いながらときどきめちゃくちゃ笑顔になるの!ミステリアスでかっこいいのに、ふとした笑顔がかわいくてずるい。

サイケデリックな照明に、彼女の髪に一筋入ったこがね色が乱反射してとてもきれいだった。



運良く最前柵を取れる整番で、ナリハネさんのゼロズレだったので、ナリハネさんの演奏をめちゃめちゃ堪能できた! 肉声でのコーラスも聴けて満足。

(「仙台への三澤さんのテンションの高まりにメンバーが若干追いつけてない」くらい仙台を愛する山形県出身の)三澤さんがギターソロでたくさん前に出てきてくれたので、目も耳もさいこうに幸せでした。

「術中ハック」のダブルネックギターめーーーっちゃかっこよかった!「DISTANCE」もよかった!ぜんぶ!よかった!(よすぎて語彙力が死んだ)
また三澤さんに\おかえりーーー!/って言いたい。実はナリハネさんにも\おかえりーーー/って言った。ご家族の方のお墓が仙台にあるそうです。


彼らの現在を目の当たりにして、パスピエは一定のゴール地点を迎えたのだと思った。
たしかな地盤が出来上がって、そのしっかりした足場をもとに、新しいことをやろうとしてるのがすごく伝わってくるライブだった。なっちゃんやナリハネさんが言うように、とても自由で心地のよい空間でした。



好きなことをやっていると彼らは言っていたけれど、『&DNA』の楽曲たちはよりポップでキャッチーに、“入りやすい”音楽に仕上がっていたと思う。
個人的には「気象予報士の憂鬱」みたいに遊び100%に振ってる曲も好きです。

「MATATABISTEP」や「S.S」のようなC&R曲の定番や、楽曲が増えたことで当然だけど演らない曲もあって、 突如タイムスリップしたような、不思議な感覚に陥った。



当日のセットリストは以下のとおり。

http://dailysetlist.net/archives/60265
▲こちらよりお借りしました

1.やまない声
2.とおりゃんせ
3.万華鏡
4.ヨアケマエ
5.永すぎた春
6.ああ、無情
7.DISTANCE
8.月暈
9.マイ・フィクション
10.S.S
11.おいしい関係
12.トキノワ
13.メーデー
14.ラストダンス
15.術中ハック
16.ハイパーリアリスト
17.MATATABISTEP
18.スーパーカー

アンコール
19.フィーバー
20.シネマ

やまない声とおりゃんせの流れが秀逸で、とおりゃんせのアレンジがすっごくライブ向きだった。ダンス、ダンス、ダンス!熱狂してしまった!やまない声ちょーーーかっこいいな!

S.S
ごりっごりのライブアレンジ。イントロ聞いても次の曲がわからなくてどきどきした!とても高まった!
曲の途中のストップタイムが本当に楽しかった。フロアのざわつきににやにやしてるメンバーがかわいかった。(まだーーーーー?)

トキノワ
タイアップのアニメ「境界のRINNE」のED映像のイメージが強くて比較的ゆるやかな印象の曲だったのだけど、ライブでこんなに盛り上がるのは予想外!
「裏の裏」も聴きたかったなあ。

MATATABISTEP
ぱっぱっぱりら!の大合唱の最後に「おっけー!」って叫ぶなっちゃんが最高にかわいかった!!!

スーパーカー
MATATABI~からのスーパーカーはとてもずるい。
ennで聴いたチャイナタウンが何度もフラッシュバックして泣きそうになってしまった。
“いかしたカラーのスポーツカーに飛び乗って”から、スーパーカーに乗ってどこまでいけるのかな”への変遷。
優しくて幻想的だけど現実に即したなっちゃんの歌声と、静かなピアノの音が切ない。コーラスが強めで珍しい印象の楽曲。なっちゃんパスピエに誘われた時期からある曲だとMCで話していてびっくりした。


アンコール
1曲めは“金曜日だから”ということでフィーバー、そしてシネマでラスト。シネマの枠が日替りなのかな。
フライデイナイトくらいはフィーバーしたっていいじゃん!がまさにフライデイナイトライブだったので高まった!



ラストダンス前になっちゃんが“昔はファンタジー系の歌詞も書いてたけど、今は自分の内面も書けるようになった”って話をしていて。

パスピエにハマったきっかけはなっちゃんの言うファンタジー全開の初期楽曲なので少し複雑だったけど、今回演ったほとんどの楽曲が初見のはずなのにどこか懐かしさを感じた。

その正体はきっと、バンドの創成期から脈々と継がれてきたパスピエの遺伝子なのかもしれない。

「この5人で音を合わせるとパスピエになる」という土台は出来上がった - Real Sound|リアルサウンド

いちばん大事にしているのは“現在”でしょうね。たとえば今回のアルバムにしても、聴く人によって「昔のパスピエっぽい」とか「最近の新しい流れを感じる」とか、捉え方はいろいろだと思うんです。そこまで自己分析しているわけでもないし、自分たちとしては、そのときに興味があることをやるしかないと思うんですよね。メンバーの趣味趣向もその時期によって変わるだろうし、それは当然、プレイにも表れるだろうし。大胡田の歌い方も少しずつ変わってますからね。

ハチャメチャに楽しかったし、また絶対に足を運びたい!



ONOMIMONO

ONOMIMONO

わたし開花したわ

わたし開花したわ

*1:震災復興支援の音楽イベントだったため、各バンドの物販テーブルには募金箱があった